マルサ(国税局査察部)の仕事は、どのような内容なのでしょうか?
東京国税局査察部、通称マルサと呼ばれる人たちですが、伊丹十三氏監督の映画「マルサの女」がきっかけで、その存在が公になったとも言われています。
マルサと聞くと、どのような人が職に就けて、どのような仕事をするのかよく分からなですよね?
「ダウンタウンなう」という番組で、マルサの概要を把握できたので、さっそく紹介していきます。
そもそもマルサに狙われる人とは?
世の中で知られている一般的な職業とは異なり、マルサの仕事内容が公にされてないのも1つの理由だと思います。
そもそも国税局に勤めている人自体、自分たちの職業を明かしたくないようです。
マルサの主な目的ですが、1億円以上の悪質な脱税を暴き、刑事事件として告発することでした。
1億円以上ともなると、社長やオーナー、作家や音楽関係の印税で暮らしている人達が挙げられます。
毎日、新聞等を読んで情報収集している部署もあるそうです。
もちろん目星をつけても、対象者が必ず黒である保証はなく、空振りすることも多いようです。
マルサにも年間で目標があって、約180件の検挙をしないといけないんだとか。
芸能界では、急にブレイクした芸人がマークされてるようです。
一時的にブレイクしたズギちゃんや日本エレキテル連合もマークされたんでしょうか?
元ヒルズ族の脱税事件の経過
「ダウンタウンなう」では、当時マルサに入られた元ヒルズ族の磯貝さんが実際に体験されたVTRが流れていました。
ガサ入れ前の準備
脱税の疑いのある容疑者の目星がついたら、内偵班が4人1組で、ターゲットの身辺調査を行うようです。
そう考えると、やってることは探偵や刑事と一緒ですね・・・
基本的にお金関係のトラブルというと、身辺調査や督促などが当たり前なのかもしれません。
しかも、時にはホームレスに変装したり、夜のお店の客を装って潜入までするようです。
調査期間も平均9ヵ月というように、徹底的に調べ上げるそうです。
ただし、ここまでしてターゲットが白だった場合、本当に手間暇・費用が無駄になってしまいますよね?
国税局だけあって、国民の税金を使ってると思うので・・・
一方でターゲットが黒だった場合、裁判所から捜査令状を発行してもらうことができます。
マルサのガサ入れ当日
裁判所から出される捜査令状は、日の出から日没までの1日しか効力がないようで、ターゲットが抑えられそうな日を厳選し、朝方からガサ入れを行うそうです。
ガサ入れの準備段階では内偵班が調査するのに対して、ガサ入れを行うのは実施班と言うように、完全に仕事が分かれているようです。
ここ数年、マルサが突入していく様子が度々TVでも放送されていましたが、確かに朝9時など、早い時間帯から行われています。
マルサのガサ入れの対象
普通に考えたら、脱税者本人の自宅を調査しますよね?
しかしマルサでは、証拠隠ぺいを防ぐために自宅だけでなく、取引銀行・会社・実家・友人宅まで平均で20か所以上を一斉にガサ入れするんだとか・・・
マルサ側にとっても、平均9ヵ月間調査してきた期間を無駄にしたくはないでしょうし、必ず証拠を掴もうとする熱意が伺えます。
ただし、脱税に関係のない人までガサ入れされるのは納得いかないですよね?
マルサの狙いとしては、本人が口を割らなくても、取引先であったり、家族や友人が口を割る可能性も考えてガサ入れを行うようです。
対象者が黒だった場合
ガサ入れが終わって対象者が黒だった場合、すぐに刑に服さないといけないかと思いきや、押収した証拠品を1つ1つ整理して照合していくので、今回のケースでは半年間取り調べが行われたそうです。
内偵班は調査などの仕事があるので、だいたいどのような事をしてるのか想像できました。
しかし実施班はガサ入れだけだと、そのほか何の仕事をしているのか気になりますよね?
実は証拠を照合したり、資料の整理という仕事にも関わっていました。
たぶんここまできっちり行わないと、刑事事件として告発できないのかもしれませんね。
今回の裁判の結果
・所得税法違反
・懲役:1年6ヵ月(執行猶予3年)
・合計追徴額:2億5,000万円
・延滞税:年14.6%(本税に対して)
2億5,000万円の年14.6%ということであれば、毎日支払う利息が約5万円づつ増えていく計算になります。
なぜ脱税をしたのか?
FX取引をした結果、1年間で4億5,000万円を儲けたが、翌年に4億5,000万円を失ったので払わなくてもいいと思っていたそうです。
株・FXの税収の仕組みがおかしい?
私がつくづく感じることですが、株やFXの税収の仕組みが、損失に関わらず1年で区切られている点がおかしいと思います。
たとえば12月31日に売買して1億円の利益を出したとします。
しかし翌年の1月1日に1億円を損してしまった場合でも、前年の1億円儲けた分の税金を払わないといけないのです。
つまり、資金が0になった状態なのに、前年の利益1億円に対する税収を払わないといけません。
ふつうに考えたら、払えるわけないですよね?
一般的に経費や損失という手段もあるのですが、株やFXに関しては優遇制度がないと感じるこの頃です。
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競馬で10億円課税された会社員
年収800万円の会社員に、延滞金などを含めて10億円課税される事件がありました。
詳細は、累計で約28億7000万円つぎ込んだ結果、30億1000万円の払い戻しを得たそうです。
これまでの払い戻し分の30億1000万円に税金をかけるというものでしたが、会社員はこれまでつぎこんだ28億7000万円を経費として主張します。
結果、28億7000万円は経費として認められました。
マルサになるには?
「マルサの女」を見て、マルサに入りたい!という人もいるかもしれません。
しかしマルサは公には募集していません。
当たり前ですが、マルサになるためには、まず国税の職員になる必要があります。
国税の職員といえば、学歴が必要なイメージがありますが、大卒と高卒がだいたい半分くらいの割合になっているようです。
仕事をしていく中で、調査能力等を認められると、上司から「お前マルサに行って来い!」など、声がかかるようです。
国税とマルサの違いは?
国税の税務調査ですが、そもそもお金を徴収しようというのが目的のようです。
税務調査で追加の金額が発生した場合は、修正申告を出して、追加で税金を納めることになります。
一方のマルサは、お金ではなく、脱税などの悪いことをしている人を見つけて、逮捕することが目的のようです。
まとめ
なんとなくマルサというものが分かってきませんか?
要は暴力事件などは警察が担当し、巨額のお金の脱税関係はマルサが担当するといったところでしょうか。
またマルサといえば、ガサ入れというイメージが強かったのですが、探偵や刑事のような身辺調査を徹底的に行っていることにびっくりしました。
マルサで活躍できれば、探偵会社をつくって一儲けできそうな印象を受けますw
ちなみに国税の税務調査に関しては、年収200万や300万の個人事業主の元にも来ることがあるそうです。
税金の計算はしっかりしておきましょう。