年金運用の損失は約9兆円!将来もらえる年金が半分以下に?

私たち国民が毎月払っている年金ですが、いろいろな投資に運用されています。
もちろん、運用されて利益が上がれば・将来もらえる年金額は安泰ということになります。
しかし!最近ネットの情報で、2015年の7~9月期の年金運用の損失が約9兆円と言う情報を見かけました。
これはどこの情報なの!?と気になったので、その情報源と年金の運用について調べてみました。
目次
運用損で9.4兆円の損失
こちらの情報元ですが、10月1日の日経新聞に掲載されていました。野村證券西川チーフ財政アナリストが9.4兆円の損失があると試算したようです。
しかも「田中龍作ジャーナル | 「アメリカ強欲資本」に吸い取られる日本国民の老後」というサイトを参考にすると
「もう老後はない。30年間掛けてきた年金は 米金融資本に捧げたんだろうか?」。厚労省の答弁を聞くと、誰しもが思うだろう。
きょう、国会内で民主党が厚労省と日本年金機構から「消えた年金」についてヒアリングした。
老後を支える公的年金を運用する「年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)」が、大きな運用損を出しているのではないか、と巷間言われてきた。
きょうのヒアリングで厚労省年金局の担当者は、10兆円の運用損(7~9月期)を出したことを認めた。
とありました。よく分かりませんが、年金の運用に失敗して・損失を出しているという情報を度々耳にすることがありました。ただし、その情報が確かなものなのか不透明ですよね?
しかし!こちらの情報によると、厚労省年金局の担当者が損失を認めていますので、残念ながら事実です。約10兆円って、かなりの損失額になります。
現在世界一の大富豪ビルゲイツの資産(9兆5,000億円)より大きい額ですし、最近中国がイギリスに提示した金額(約7兆円)よりも大きい額になります。
もう1つ例を挙げると、2014年に消費税を5%~8%に増税したことで、年間の税収は5兆円増えたそうです。この2倍の損失を出したということですね。
なぜ10兆円もの損失を出したのか?
今回はアナリストの試算だけでなく、厚労省年金局の担当者が損失を認めたことでネットでも話題となっています。もしかしたら、過去にも何度か損失を出している可能性はあります。
年金の運用先
一般的に年金の運用と言えば、国債などの債権に大部分を投資しているイメージがあります。しかし!実際は日本株25%、外国株25%、合計で50%の割合を株で運用していました。
以前は株の割合は12%ほどだったようですが、今年に入ってから株の割合を50%に引き上げたようです。
なぜ損失が拡大したのか?
アベノミクスで国内の株価は上昇していました。また年金の財源的にも、このままでは年金の支給が難しくなるので、目標の金額を稼ぐ必要があったそうです。
そんな中、今年の6月あたりでしょうか。
中国の上海株を発端とする世界同時の株安が起こりました。正にタイミング的には最悪の状況ですよね?
株に対する年金運用資金の割合を増やしてわずか数ヵ月、日経平均は21,000円近辺から一気に17,000円近辺まで下がりました。
その後も下がり、現在は19,000円台へと戻っています。
この下げで約10兆円の損失を出したんだと思います。現在19,000円台へと戻ってきましたが、このような理由で買い支えが入っているのかもしれませんね。
政府のリスクに対する考え方
今年の3月に放送された「そもそも総研」という番組の中で、政府のリスクに対する考え方が紹介されていました。
それによると、年金の運用で損失を出すことがリスクではなく、年金の運用で財源を確保できないことがリスクだと言っていました。「はぁ!!!?」ですよね?
個人レベルで例えると、来年会社を辞めるので、それまでに株で生活費を稼がないといけない!。だからハイリスク・ハイリターンの株に全額投資する!といった状況です。
もちろん、そんなことでうまく行ってれば、誰もが株で儲かっているはずです。
将来もらえる年金は半分以下になる?
もともと社会保障費は不足していますので、TVで街角インタビューとか放送されていますが、「将来年金はもらえない」と答える若者を多く見かけます。
しかし政府によると、年金制度の破たんはありえない!必ず年金はもらえるという見解です。
ここで再度、そもそも総研で紹介された内容をまとめますと
女性や高齢者の労働市場への参加が進まず、マイナス成長が続くような状況になった場合、将来の所得代替率は50%を下回ることになりますが、年金が受け取れないことはありません。
ということでした。
つまり!もらえる年金は現状の半分以下になるかもしれませんが、年金はもらえるということです。50%を下回るということですので、それが20%かもしれませんし、30%かもしれません。
現在毎月6万円もらってる人が、毎月2万円しかもらえなかったら生活できないですよね?そういう可能性もあるということでした。
まとめ
今回は年金運用の損失額があまりにも大きな金額でしたので調べてみましたが、改めて社会保障費の不足を感じさせる内容でもありました。
財源が足りないから、ハイリスクはあるけれど、株の投資割合を増やすと言うものです。
う~ん、どうしちゃったのでしょうか・・・、それにしても、ふつうに年金を払いたくなくなるような話題でもありました。
どうせリスクを取るのであれば、自分の支払った分は自分で運用したいですよね?別な人が運用して、自分の年金が少ししかもらえなかったら意味が分からないですよね?
ということで、将来は年金をあてにせず、貯金をしたり・投資を始めたりと、将来のことを考えて動かないといけない!と感じた出来事でしたw
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2015年度の運用損失
2015年の7~9月期で損失を出しものの、後日トータルではプラスになったという報道がされてました。
しかし、2016年4月の時点で、2015年度の年金運用では赤字幅が5兆円を上回る見通しが強まっているようです。
SMBC日興証券のアナリストによると、株価の低迷や円高進行による海外資産の減少が原因だと述べています。
あくまでも予想ではありますが、GPIFの担当者によると長期的な視点が必要で、2016年7月頃に実績を公表する予定とのことでした。