資産10億円の相続と遺産分割の行方!末端の自分はいくらもらえるのでしょうか?
今から10年前くらいの出来事です。いきなり実家に、知らないおじさんと弁護士の人がやってきました。
「なんだなんだ?」と思って話をしていたら、どうやら相続税・遺産分割の話のようです。
分かりやすく説明するために、今回自分の親族をA家、相手の親族をB家と設定しておきます。
この記事の目次
相続と遺産分割の内容
「そんな親戚いたかな~?」と思って話を聞いていると、高祖父の2回目の結婚相手の相続・遺産分割の話でした。
高祖父という言葉はあまり聞いたことないと思いますが、曽祖父(ひいじじ)の父親になります。分かりやすい家系図がありましたので掲載しておきます。
しかも話を聞いていくと、高祖父の結婚相手の遺産が10億円もあるようなのです。
これまで聞いたことのないお金の単位でしたので、「10億なら、一体自分にいくら入るのか」と、ちょっとパニック状態に・・・(家系図の中では自分は末端になりますが・・・)
代襲相続について
本来血族として相続人になるはずだった法定相続人が死亡した場合に、その子供や孫が相続人になる制度を代襲相続と言います。
・第1順位の子の場合:子⇒孫⇒ひ孫・・・のように代襲できます。
・第3順位の兄弟姉妹の場合:兄弟姉妹⇒甥・姪までとなります。
法定相続分について
相続分とは、相続人が数人いる場合のそれぞれの相続人がそれぞれの財産を相続する割合のことです。
・配偶者のみ⇒配偶者:全部
・配偶者と子(第1順位)⇒配偶者:1/2、子:1/2
・配偶者と直系尊属(第2順位)⇒配偶者:2/3、直系尊属:1/3
・配偶者と兄弟姉妹(第3順位)⇒配偶者:3/4、兄弟姉妹:1/4
※子、直系尊属、兄弟姉妹が数人ある時は均等の分割となります。子は実子であっても養子であっても相続分は同一です。
10億円の資産の内容
高祖父の結婚相手B家の女性の土地が、軍の基地として使われていたようです。その土地を貸しているので、賃貸収入が毎年入っているようです。
ちなみにB家の女性が亡くなってから9年後に今回の話が来たわけですが、9年間で貸している土地と賃貸収入で、遺産が10億円ほどになったそうです。
なぜ9年目に我が家に来たのか?
ここでなぜ、9年経つまで相続・遺産分割を放置しておいたのか気になる人も多いと思います。実は10年目に、国にとられてしまうという理由がありました
つまり相続・遺産分割を10年間放置しておくと、国に没収されてしまうということです。
たぶんB家の女性が亡くなった後、どのくらいの遺産があったのか、B家自体も把握してなかったんだと思います。しかし、国から何かしら郵送等で通達があったのだと思います。
遺産分割の基礎知識
ここで、話の続きの前に遺産分割協議について説明します。
相続人を確定する
遺産分割協議は、相続人全員の参加が大原則です。相続人の一人でも欠いた遺産分割協議は無効です。また、遺言による包括受遺者や相続分の譲受人がいるときは、それらの者も協議に参加しなければなりません。
相続人を確定するには被相続人の出生から死亡までの戸籍、除籍、改製原戸籍などをもれなく取寄せます。これによって戸籍上の相続人が明らかとなります。
◆ 相続人のなかに行方不明者や生死不明者がいる場合は、家庭裁判所の許可などの手続が要になります。
出典:遺産分割の方法、遺産分割協議 :よくわかる相続の基礎知識
遺産分割の種類
遺産分割には現物分割、換価分割、代償分割の3種類あります。現物分割に関しては、その名の通り、個々の財産ごとにそのままの形で相続します。
・換価分割:共同相続人の内の1人、または数人が相続財産を売ってお金に換えて、その代金を分割する方法。
・代償分割:共同相続人のうち、特定の人が遺産を相続したのち、他の相続人に対して・代償として自己の固有財産を交付する方法。不動産など遺産の分割が難しい時に利用されます。
A家とB家にはどのくらいの相続人が?
上記の遺産分割の基礎知識で挙げた内容を見ると、相続人を確定する必要があります。そして、相続人の一人でも欠けた場合は遺産分割協議は無効になってしまいます。
そこで弁護士は、署名をもらいに我が家にやってきたということになります。
ざっくりになりますが、A家・B家それぞれに、相続人は50人ずついたようです。つまり知らないおじさんと弁護士は、自分たちA家の親せき、B家身内の親せきを周って、約100人分の署名を集める必要があったのです。
この弁護士費用も10億円の遺産の中から支払われたことと思います。
子供の法廷相続分
出典:法定相続分とは?
このように、家系図を見て法定相続分が決まるのですが、高祖父の2回目の結婚相手でしたので、いろいろとごちゃごちゃしており・分かりにくい状況でした。
しかもA家・B家でそれぞれ50人づついるので、さらに分かりづらさに拍車がかかりました。
結局いくらもらえたのか?
初めは10億円と聞いて、不謹慎ながら少しワクワクしていた自分がいました。ただし最終的に私が受け取った金額は30万円に落ち着きました。私の弟も30万円です。
なぜここまでもらえる金額が少なくなったのかというと、一番の理由は、もらえる家系図の末端(一番下)に私と弟が位置していたからですw私の父親は35万円でした。
上記で法定相続分の図を掲載しましたが、このように取り分の割合が決まっているのも大きな理由になります。
まとめ
10年ほど経った今でも、「一体あれはなんだったのか?」という出来事でしたw
ちなみにA家の親族の大部分は現金を受け取ったようです。
たぶんB家の人は、土地という資産を手放したくなかったんだと思います。
また、この記事を書いていて、国にとられるという言葉が引っかかりました。
一般的にお金持ちになっても、3代で終わると言われていますよね?
その理由ですが、相続税であったり、国に土地を没収されるからです。
もちろん賢いお金持ちの人は、いろいろと手を打っていると思います。
2015年の1月1日以降は、相続税も大幅に増税されました。これらの事を踏まえて、相続税に関する知識を身に着け・対策をしていく必要があることを痛感した出来事となりました。
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